この記事では、30代・サラリーマンで不動産投資をしている私が、ワンルーム不動産投資について解説していきます。
ワンルーム不動産投資はセールス時に、こんなメリットを強調されますが、これって本当なんでしょうか?
- 年金の代わりになります
- 生命保険としても使えます
- 節税することができます
今回は「年金の代わり」について、実際に投資用区分ワンルームを6室購入した経験のある私が解説します☆彡
<筆者の概要>
■30代・既婚・会社員
■2016年から不動産投資開始
■ワンルーム6室、アパート1棟購入
■年間家賃収入670万円
投資用ワンルームのセールストーク
投資用の区分ワンルームを販売している不動産業者さんのセールストークとして、老後の年金の話が出ることが多いです。
こんな感じで、将来の不安を説明していきます。
- 平均寿命が延びている
- 少子高齢化で、年金受給がさらに遅くなる・減額されるかもしれない
- インフレで物価が上がると、実質的な年金額は目減りしてしまう
- 年金だけでは生活費が足りない
私は、確かに上記の話は事実だと認識していますので、間違ったことは言っていないと思っています。
そして、「その対策として投資用ワンルームを購入し、将来の自分年金を創りましょう!」という話です。
この部分が本当なのか!?解説をしていきます☆彡
投資用ワンルームは「年金の代わり」になるのか?
最初に結論を言います。
結論:投資用ワンルームは「年金の代わり」にはならない!
ワンルームの家賃収入7~8万円が毎月入ってくれば、年金の代わりになりそうなイメージが湧くと思います。
では、なぜ「年金の代わりにはならない!」と言い切るのでしょうか。
その主な理由を2つ解説しています。
理由①:家賃収入を得るのは●●年後
理由の1つ目は「時間」です。
ワンルーム不動産投資の仕組み
確かに、購入直後から家賃が毎月振り込まれるので、年金のように家賃収入が発生します。
私の保有している物件の1つの家賃収入は毎月8.6万円(毎年103万円)ですので、十分年金の代わりになりそうな気がします。
しかし、家賃の全額が手元に残るわけではありません。
なぜなら、「管理費」「修繕積立金」「賃貸管理手数料」のランニングコスト等を支払う必要があるからです。
そして何より大きいのが「ローン返済」です。
私達サラリーマンが行うワンルーム不動産投資は、「ほぼ100%ローンを組む」仕組みとなっていますので、間違いなく発生します。
私の保有している物件での例を示すとこのような感じです。
家賃収入 | 86,000円/月 |
管理費・修繕積立金 | 11,000円/月 |
賃貸管理手数料 | 1,100円/月 |
ローン返済 | 63,000円/月 |
毎月の手残り | 10,900円/月 |
家賃収入を得てはいますが、毎月の手取り額としては1万円程です。
そのうえ、固定資産税を支払った利するので、年間で10万円弱しか手元には残りません。
ただし、ローン返済がなくなれば、下表のようになるので確かに年金の代わりにはなりそうですね。
家賃収入 | 86,000円/月 |
管理費・修繕積立金 | 11,000円/月 |
賃貸管理手数料 | 1,100円/月 |
ローン返済 | なし |
毎月の手残り | 73,900円/月 |
ローンの返済は●●年後?
では、ローン返済はいったい何年後くらいでしょうか。
それは「約35年後」です。
私は30歳で始めたので「65歳」で完済することになります。
まぁ遅くはないと思いますが、相当先になりますね・・・・。
25歳で投資用ワンルームを購入すれば、60歳ではローンが完済しているので、自分年金を創ることが言えると思います。
開始時期が早い方であれば、この問題はまだ解消できるかもしれませんが、30代後半から始める場合はこの問題があります。
ただし、若い方であっても「年金の代わりにならない」という理由はほかにもあります。
理由② 物件の築年数は?
前述のとおり、35年後にローン完済した後に、纏まった金額を自分の手元に受け取ることができます。
上記のローン返済がない毎月の手残り例「約7.4万円/月」は確かに「年金の代わり」と言えそうな感じがします。
ですが、35年後にもその金額が得られるのでしょうか?
あなたの購入時が・・・・
「新築」でも、築35年の物件です。
「築10年」で、築45年の物件です。
自分だったらどうでしょうか。
築35年・45年の物件に喜んで住みたいと思いますか?
当然、家賃は下落していきます。
空室となる期間も増え、埋めるためには広告費を払ったり、家賃を下げたり等が必要になります。
そして、建物が古くなっているので「大規模修繕」のような工事が必要となり、「修繕積立金」が値上がりしていくことになります。
ざっくりシミュレーション
上記をざっくりと考慮したシミュレーションです。
家賃:年1%ダウンとして▲35%
修繕積立金:10年で3千円上がることが多いので+9千円
これで計算すると👇のとおりとなります。
家賃収入 (現時点の▲35%) |
56,000円/月 |
管理費・修繕積立金 (現時点+9千円) |
20,000円/月 |
賃貸管理手数料 (すえおき) |
1,100円/月 |
ローン返済 |
なし |
毎月の手残り | 34,900円/月 |
毎月3.5万円が入りますが、これが全て得られるわけでもないのです。
固定資産税を毎年5-6万円程支払うため、月になおすと5千円程になります。
そうすると、3.5万円-0.4万円=3万円になります。
前述のとおり、空室が埋まらないと家賃「5.6万円」が何か月か入らなくなります。
その期間は「年金どころか月2万円程のマイナス」となります。
短期間で次の入居者が決まればいいですが、古い物件は当然空室期間が長くなることが多いです。
そして、年金として・・・となると、この先その物件がマトモに稼いでくれるのは何年間でしょうか?
そこから10年経てば、さらに手取りは減ってしまうことは想像できると思います。
なぜ「年金の代わり」にならないのか?
まずはローン完済するまで、自分の手残りが殆どないので、ローン完済する35年後まで待つ必要がある、という点です。
若い方であればまだ良いですが、30代後半になるともう遅い!という感じです。
次に、ローン完済後の物件は最低でも築35年です。
築35年になると当然家賃は下がり、ランニングコストは上がり、空室期間が長くなります。
そのため、手残りは少なくなり、空室期間は2~3万円の支出が発生しますので、そうなると年金どころかマイナスです。
こう考えると「年金の代わり」にはならない!と私は考えています。
シンプルに「ボロ物件に自分の生活を預けられますか?」と感じます。
投資用ワンルームはダメなのか?
私は投資用ワンルームは「年金の代わりにはならない!」と考えています。
ですが、それと同時に「投資用ワンルームはダメではない!」と考えています。
なぜかというと「年金の代わりとしては微妙だけど、年金の代わりにしなければ良い」と考えているからです。
投資用ワンルームがダメではない理由
私は投資用ワンルームで求めていることは大きく2点です。
- 売却時に利益を得る
- 所得税を圧縮して税還付を受ける
詳細は別記事で記載しますので、ポイントだけ。
売却時に利益を得る
私は「10年前後で売却する」ことを前提にしています。
その理由はシンプルで、値崩れしないタイミングで売却するためです。
10年後であれば、築年数も10~20年弱のため、価格もそこまで落ちないことが多いです。
そのため、ローンの残債より、売却価格の値下がりのほうが少ない物件を買えば、売却時に利益を獲得できる、というわけです。
35年待って月2~3万円を受け取るより、10年後に200~300万円を受け取るほうがメリットが大きいと思います。
ちなみに、20年ごろまで価格がそこまで落ちないのは「ローンが組めるから」というものが理由の1つとしてあります。
ローンが組める期間であれば、値段はそれなりにつきます。
築年数が進んでいくとローンが組めない・組みにくい物件になります。
そうすると、当然ですが現金で購入するしかなくなります。
現金購入になると、そこまで大きな金額では買い手が出てこないため、売却価格が下がってしまう、という仕組みです。
また、現金で物件を買える人は「ワンルーム」ではなく、より利回りの良い「アパート」を買うほうがお得なため、売値を安くしないとワンルームは売れなくなってしいます。
所得税を圧縮して税還付を受ける
投資用ワンルームを保有すると、家賃収入は発生しますが、減価償却・支払った手数料や税金・ローンの利息等により所得税を圧縮することもできます。
そのため、私は毎年の収支はトントンで十分だと思っています。
所得税を一部でも還付を受けることができれば、その方がメリットが大きいからです。
まとめ
セールストークで「投資用ワンルームは自分の年金の代わりになります!」という話法をよく聞きますが、私は全くそうは思いません。
35年間ローンを完済したおじいちゃん物件を年金として期待するということは、おじいちゃん物件に鞭を打って働かせるということです。
さすがにそれは可哀そう・・・。
私は投資用ワンルームを「年金の代わりとしては微妙だけど、年金の代わりにしなければ良い」と考えています。
「保有中は所得税を圧縮しつつ、10年前後に売却益を得る」という作戦で運用しており、上手くいっています。
投資用ワンルームの目的をはき違えないようにして、上手く活用していけると良いと思います☆彡